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link 飛行中年 飛行中年 (2024/12/25 18:57:24)

feed 北朝鮮ミサイルを冷静に分析! その2 (2023/12/26 15:07:36)

前回では、主に北朝鮮が今まで打ち上げてきたミサイルについて、その詳細を考えてみました。

今回では、北朝鮮が打ち上げ始めた、「固体燃料ミサイル」について、考えてみたいと思います!

 

まず、今まで北朝鮮が打ち上げてきたミサイルは、その燃料に十中八九ヒドラジンが使われていると考えられます。

化学式で表すとN₂H₄…。

このヒドラジンは、酸化物と接するだけで燃焼が始まるため、ロケットの燃料として使うと、シンプルで信頼性の高

いロケットを作ることが出来ます。

しかし…。

ヒドラジンを構成しているH…。水素は、高い熱量を出しますが、N…。窒素は、燃焼はするものの、そんなに効率よ

くは燃えません。

 

それに対し、日本のH2ロケットは、H水素とO酸素を燃料としています。   

この二つの元素による燃焼は、重量あたりで考えると、最も大きな熱量を得ることが出来ます。

つまり、出力の高いロケットエンジンを作ることが出来るんですね!

ただし…。

水素も酸素も、常温では気体のため、これを液体の状態でタンクに閉じ込めようとすると、大きな圧力が発生するた

め、丈夫で重い燃料タンクが必要になってくるんですね!

この圧力を少しでも小さくし、ロケットを軽くするため、H2ロケットでは、打ち上げ直前に、冷え冷えの状態の燃

料を注入します。

温度が上がる前に宇宙に行けばいい!という考え方ですね!

サターンⅤ型ロケットの場合は、燃料はケロシン(灯油)と酸素ですが、この場合、冷えた状態で入れなければいけ

ないのは酸素だけ…。

ケロシンは常温では液体なので、冷やす必要がなく、その燃料タンクも軽量に出来るメリットがあります。

その代わり、水素を燃料としたときよりも、熱量が少なくなるため、ロケットエンジンの出力も少なくなるわけです

ね!

さて、ここからが本題!

いま、北朝鮮が取り組んでいるのは、「固体燃料のミサイル」です。

この固体燃料のエンジンって、率直に言いますと、液体燃料のエンジンよりも効率が悪くなります。

これ、何故かと言いますと、固体燃料エンジンの場合、燃料を固体にするために、他の燃焼効率の悪い元素を混ぜな

いといけないからなんですね!

純粋に燃えるものだけの燃料にすることが出来ないんです…。

そのため、端的にいうと固体燃料エンジンは、液体燃料エンジンに比べて、バラストを持って飛んでいるようなもの

なんです!

だから、効率が悪いんですね!

…。で、北朝鮮は、最終的には、この固体燃料ミサイルに、「核」を積みたいのだと思うのですが…。

実は「核」って、小さく軽量に作るのが難しいんです!

例えば、広島に落とされた原爆「リトルボーイ」は、その重さが4.4トンでした。

この重い爆弾には、約80キログラムのウランが積まれていたそうですが…。

このウランのうち、実際に核分裂が上手くいき、エネルギーを放出したのは、わずか1.3パーセントだったそうで

す。

つまり、北朝鮮が本当に固体燃料ミサイルに「核」を積むのであれば、とんでもなく大きなミサイルが必要というこ

とですね!

日本のH2ロケットでも、低軌道に投入できる衛星の重さは約6トン…。

それを考えると、北朝鮮は、固体燃料ミサイルに移行したいのであれば、かなり大きなミサイルを作る必要がありま

す。

ただし…。

北朝鮮が、原子力潜水艦を持ったとすれば、話は変わってくると思います。

原子力潜水艦があれば、標的に近寄って、射程の短い核ミサイルを打ち出すことは可能ですからね!

 

この先、北朝鮮がどのように動くのか…。

いたずらに北朝鮮を怖がるだけではなく、ちょっと冷静になって、そのミサイルを分析してみても良いかと考え

今回の記事を書かせていただきました!

 


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