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feed <飛丸日記 5月2日> 「精進」 の先にあるもの (2024/5/13 11:23:51)
2021年4月XX日
  ハングの日本記録が更新された。
  その翌週末、天気が悪い中、Zoomで記録樹立者による講演が行われた。
  (私の嘗ての日本記録は172km、何度目かの更新後、今回は240km)
( Q&Aタイム、私から質問)日本記録はこの先、どこまで伸びると思いますか。
  議論するが、答えは出ない。何かをする時は、先ずは遥か彼方に目標設定をする事だ。
   (私から) 「平均時速45㎞/hで飛んで6時間超、目標は285㎞かな。この辺りが理論値では?

2021年4月末
  早速、筑波山から285km飛んだ場合、安全に下りられる場所があるか下見に行く。
   285km地点では広い田んぼが見つからず、目標を280km に下方修正する。
  良し、目標設定「2025年に280km飛ぶ!」
  探している内に気が付く。宮城、山形にはまだこの時期、田んぼに水が入っていない。
  田んぼに水が入ると、上昇気流の発生が妨げられる。何より降りる場所が無くなる。
  4月より5月の方が日が長い。筑波山からだけでなく、山形からも記録を狙おう。

2022年5月5日
   山形県南陽市十分一山よりフライト。
   筑波山からクロカンで想定されるコース上まで東進し、そこから北を目指す。
   宮城県〇〇市、80km 聞くところによると、山形県クロカン記録更新とのこと。
   翌日、今度は西に向かい、その後北上して、秋田県との県境まで辿り着く。
   秋田の地理が全くわからず、断念して山形の平野部まで10 km 引き返す。
   「人生初めての退却」 104km、二日連続山形県クロカン記録更新である。

2023年5月1日
   十分一山よりフライト。蔵王のお釜を超え、北上する。
   2年前の筑波山から280kmの目標地点を眼下にグライド。
   岩手県との県境、宮城県〇〇市。
   116km。3回連続、2年連続山形県クロカン記録更新。
   翌日には将来に向け、秋田県側の山形県との県境、湯沢市等を下見する。

そして迎えた2024年4月末
   30年ぶりの再会。74歳になる大先輩を秋田県男鹿半島に尋ねる。
   今はパラグライダーを中心に活動しておられる。
   東北地方のクロカンの攻め方等を、1時間半程談義する。
   最後は固い握手をして別れる。「お互い280km目指して頑張りましょう。」
   翌日は、湯沢市より更に北上出来た場合を想定して横手市を下見する。
   
   5月2日、絶交のクロカン日和。
   朝、旧友からメッセージが届く。「今日は遂に秋田県境を越える日になりそうですね。」
   高度2500m超、2年前のコースを辿る。
   途中から下見をした安全に下りられるルートへと針路を変える。
   神室山、山形県、秋田県、宮城県の県境上空、2500m.
   岩手県の平地も眼下に見える。
   奥羽山地上には、上昇気流の存在を確証させる雲の連なりがある。
   遠くには岩手山も。あの先が280kmだ。
   途中には一昨日議論した花巻空港がある。ここをどう迂回すべきか。
   んんん、次は花巻空港の管制空域とその付近のランディング場調べだな。
   雲がなく、上昇気流が期待できない北よりにコースを変える。
   最後は見事、昨日下見をした横手市にランディングした。
   127km.4回連続、3年連続山形県クロカン記録更新だ!

    「精進、精進、また精進」
    目標は少しづつ達成され、そしてまた、新たな障害が現れ、その打破を目指す。
    無限地獄?、いやいや その過程を楽しむ事が大事である。
    精進を重ねていくと。「神様は時々振り向いてくれる。」
    そして自分が出来なくとも、バトンは次世代へと引き継がれていく。
    かくて人類は未来へとつながっていくのである。

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