ホーム
>>
RSSセンター
>>
<飛丸日記 8月21日> 「町工場の悲哀」
飛丸日記
(2024/12/25 18:57:24)
<飛丸日記 8月21日> 「町工場の悲哀」 (2024/8/27 6:19:25)
「あり得ない。いや、あってはならない。こんな事があっていいものか。」
2012年11月、ドバイの自宅で仕事をしていると、一通のメイルのPOPが上がった。
「敏君が亡くなった。」義姉からのメッセージ。
見間違いに違いない。怖くて暫くはメイルを開けなかった。
数時間後には機中の人となり、帰国して、何が起きたのか、状況の把握に努めた。
売上の4割を占める取引先から強引な値下げ要請、それを受けたらどうなるか。
心労が重なった兄貴が、遂にはそれが原因で亡くなった。
義姉と話し合い、兄貴のPCを見る事にした。
パスワードを推察して何度も試し、開く事が出来た。
そこにあったのは、会社の再建計画。
その会社との取引は止める。3工場の内古い1工場は廃棄する。60を超える方々には辞めて頂く。
親父にそれを伝え、その通りにやってもらった。会社は持ち直した。
兄貴が受けた苦しみを、その14年後、今度は私が受ける事になった。
「2025年3月を持って取引を終了させて頂きます。」
7月に入り、売上の2割弱を占める第二の取引先からで来た一通のレターである。
配達証明付き郵便。
創業4年目から始まったビジネス、60年来のお客さんから手紙1通で「さようなら」と。
Project 10 その2、Project SCRATCH 世の中の不平等を正す。
伊藤忠商事という大企業で働き、その後20人弱の町工場の経営を兼業する事になった。
やってみると、余りに理不尽、不平等と思わされることばかり。
自分に関わる部分からだけでも、これを改善しよう。そう思って取り組んできた。
社員さんに対しても、例えば今回も6%弱の賃上げも行い、相応のボーナスも支給した。
そうした中、今度は、正に今、自分にふりかかってきた。
シヤチハタと話し合っても押し切りの一手。
友人に相談。公正取引委員会に「申告」。担当は経済産業省中小企業庁とのこと。
1時間以上の電話を何度も行い、状況を説明する。担当が違うとまた次の部署を紹介される。
時差は7時間。早朝何度も電話をして、担当者に辿り着くまでに4人を経由した。
弁護士事務所も幾つか当たり、1時間半のZoom会議も行った。
1時間のコストは一人数万円。お願いしたら1千万前後の弁護士費用が推定される。
弁護士さんとのやり取りの中で、「継続的取引の法理」と言う言葉を学んだ。
例え受注はなくとも、継続取引をしているのであれば、それに対応する準備をしている事は正当である。
仰る通り。安定供給の為、こちらでは在庫を用意している。
残りの受注見込みを確認すると、既にそれ以上の在庫がこちらにはあった。
2千万前後の損失が発生する。
社内だけでなく、更に外部に業務委託をしている。製品のメッキをお願いしている会社も複数ある。
社長に直接メイルをしたが、動きはない。
どうも担当レベルだけでなく、会社全体がこうした方針のようだ。
長年の付き合い等関係ない、まして下請けがどうなろうと知ったこっちゃない。
賃上げしろ!って政府は言うが、世の中で実際に起きている事はまるでわかっていない。
蟻が出来る抵抗は何か。
「不確かなお役所に頼らず、自身で記者会見を開き、世の中に訴えるべき」
とある弁護士さんからはアドバイスを頂いた。確かにそうかも知れない。
こうした事に関心がある雑誌に載せて頂くアプローチをするのが一案かも。
先ずはブログで開示しよう。
更に一段と情報開示する友人を広げて皆さんに相談しよう。
と言う事で、この状況、何か対応策のアイデアがあったら、教えて下さい。
この戦さ、負けるわけには行かない。
いや、負ける筈がない。
親父お袋、そして兄貴が天から見守ってくれている。
以下、更に下請けの業務委託先の方々宛に書いたレター
ーーーー
業務委託先の皆さんへ
シヤチハタ・ビジネスの中断について
ご連絡する時には何時も御無沙汰となり、申し訳ありません。日頃からお世話になっている皆様には、心から感謝しております。改めてお礼を申し上げます。
さて、表題の件。誠に急ではありますが、また弊社自身余りに急で且つ理不尽と思われる話しに驚き、対応を追われております。と言いますのは、60年来のお付き合いであるシヤチハタ株式会社から7月にレターを受領し取引終了を通知されました。レターでは基本契約書に基づき取引終了日は2025年3月となっておりますが、今後の発注数量を確認すると、実際には通常の出荷ペースであれば年内出荷にて終了する見込みであり、またその数量は既に弊社の完成品及び仕掛品の在庫総数を下回っております。現時点では、これ以上生産しても販売できる見込みが無くなってしまいました。
法規制における「優越的地位の濫用」(下記注釈)であるとして、現在公正取引委員会、中小企業庁に「申告」相談を開始しておりますが、仮に問題として取り上げられ調査が開始され行政処分に至るとしても1年以上掛かるとの話しを受けております。弁護士にも相談しておりますが仮に法的に係争するとしても、同様に1年は掛かるとのことです。
こうした状況下、皆様にお願いしている業務につきましても、誠に申し訳ありませんが早晩中断せざるを得ない状況となりました。事の成り行き次第では、これにて終わる可能性もあります。こうした通知をしてくる中で、別の下請先を手配する等、相応の準備を既に先方は行っていると思われます。上述の話で仮に弊社に有利に話しが進んだとしても、改めて弊社に取引が戻るかはわかりません。また1年に以上商売を新たな下請先と取引を行った後に弊社に戻るとなると、また同様に苦汁をなめる会社が出てくる事になり、それはそれで申し訳なく思います。
現時点では、今後、まだどうなるかはわかりません。
皆様におかれましては、弊社との取引を通じて得られる幾ばくかの収益を生活の糧等にされていた事かと思います。中断若しくは終了により、皆様に掛けるご迷惑は大変なものと思いますが、何卒、弊社の現在置かれている状況を御推察頂き、ご理解の程、お願い致します。
注釈)「優越的地位の濫用」とは、取引上優越的な地位にいることを利用して、相手方に対して正常な商慣習に照らし不当とされる要求等をする行為を意味します。(ネットにて検索)
以 上
RSSセンター
メイン | 簡易ヘッドライン |
<飛丸日記 8月21日> 「町工場の悲哀」 (2024/8/27 6:19:25)
「あり得ない。いや、あってはならない。こんな事があっていいものか。」
2012年11月、ドバイの自宅で仕事をしていると、一通のメイルのPOPが上がった。
「敏君が亡くなった。」義姉からのメッセージ。
見間違いに違いない。怖くて暫くはメイルを開けなかった。
数時間後には機中の人となり、帰国して、何が起きたのか、状況の把握に努めた。
売上の4割を占める取引先から強引な値下げ要請、それを受けたらどうなるか。
心労が重なった兄貴が、遂にはそれが原因で亡くなった。
義姉と話し合い、兄貴のPCを見る事にした。
パスワードを推察して何度も試し、開く事が出来た。
そこにあったのは、会社の再建計画。
その会社との取引は止める。3工場の内古い1工場は廃棄する。60を超える方々には辞めて頂く。
親父にそれを伝え、その通りにやってもらった。会社は持ち直した。
兄貴が受けた苦しみを、その14年後、今度は私が受ける事になった。
「2025年3月を持って取引を終了させて頂きます。」
7月に入り、売上の2割弱を占める第二の取引先からで来た一通のレターである。
配達証明付き郵便。
創業4年目から始まったビジネス、60年来のお客さんから手紙1通で「さようなら」と。
Project 10 その2、Project SCRATCH 世の中の不平等を正す。
伊藤忠商事という大企業で働き、その後20人弱の町工場の経営を兼業する事になった。
やってみると、余りに理不尽、不平等と思わされることばかり。
自分に関わる部分からだけでも、これを改善しよう。そう思って取り組んできた。
社員さんに対しても、例えば今回も6%弱の賃上げも行い、相応のボーナスも支給した。
そうした中、今度は、正に今、自分にふりかかってきた。
シヤチハタと話し合っても押し切りの一手。
友人に相談。公正取引委員会に「申告」。担当は経済産業省中小企業庁とのこと。
1時間以上の電話を何度も行い、状況を説明する。担当が違うとまた次の部署を紹介される。
時差は7時間。早朝何度も電話をして、担当者に辿り着くまでに4人を経由した。
弁護士事務所も幾つか当たり、1時間半のZoom会議も行った。
1時間のコストは一人数万円。お願いしたら1千万前後の弁護士費用が推定される。
弁護士さんとのやり取りの中で、「継続的取引の法理」と言う言葉を学んだ。
例え受注はなくとも、継続取引をしているのであれば、それに対応する準備をしている事は正当である。
仰る通り。安定供給の為、こちらでは在庫を用意している。
残りの受注見込みを確認すると、既にそれ以上の在庫がこちらにはあった。
2千万前後の損失が発生する。
社内だけでなく、更に外部に業務委託をしている。製品のメッキをお願いしている会社も複数ある。
社長に直接メイルをしたが、動きはない。
どうも担当レベルだけでなく、会社全体がこうした方針のようだ。
長年の付き合い等関係ない、まして下請けがどうなろうと知ったこっちゃない。
賃上げしろ!って政府は言うが、世の中で実際に起きている事はまるでわかっていない。
蟻が出来る抵抗は何か。
「不確かなお役所に頼らず、自身で記者会見を開き、世の中に訴えるべき」
とある弁護士さんからはアドバイスを頂いた。確かにそうかも知れない。
こうした事に関心がある雑誌に載せて頂くアプローチをするのが一案かも。
先ずはブログで開示しよう。
更に一段と情報開示する友人を広げて皆さんに相談しよう。
と言う事で、この状況、何か対応策のアイデアがあったら、教えて下さい。
この戦さ、負けるわけには行かない。
いや、負ける筈がない。
親父お袋、そして兄貴が天から見守ってくれている。
以下、更に下請けの業務委託先の方々宛に書いたレター
ーーーー
業務委託先の皆さんへ
シヤチハタ・ビジネスの中断について
ご連絡する時には何時も御無沙汰となり、申し訳ありません。日頃からお世話になっている皆様には、心から感謝しております。改めてお礼を申し上げます。
さて、表題の件。誠に急ではありますが、また弊社自身余りに急で且つ理不尽と思われる話しに驚き、対応を追われております。と言いますのは、60年来のお付き合いであるシヤチハタ株式会社から7月にレターを受領し取引終了を通知されました。レターでは基本契約書に基づき取引終了日は2025年3月となっておりますが、今後の発注数量を確認すると、実際には通常の出荷ペースであれば年内出荷にて終了する見込みであり、またその数量は既に弊社の完成品及び仕掛品の在庫総数を下回っております。現時点では、これ以上生産しても販売できる見込みが無くなってしまいました。
法規制における「優越的地位の濫用」(下記注釈)であるとして、現在公正取引委員会、中小企業庁に「申告」相談を開始しておりますが、仮に問題として取り上げられ調査が開始され行政処分に至るとしても1年以上掛かるとの話しを受けております。弁護士にも相談しておりますが仮に法的に係争するとしても、同様に1年は掛かるとのことです。
こうした状況下、皆様にお願いしている業務につきましても、誠に申し訳ありませんが早晩中断せざるを得ない状況となりました。事の成り行き次第では、これにて終わる可能性もあります。こうした通知をしてくる中で、別の下請先を手配する等、相応の準備を既に先方は行っていると思われます。上述の話で仮に弊社に有利に話しが進んだとしても、改めて弊社に取引が戻るかはわかりません。また1年に以上商売を新たな下請先と取引を行った後に弊社に戻るとなると、また同様に苦汁をなめる会社が出てくる事になり、それはそれで申し訳なく思います。
現時点では、今後、まだどうなるかはわかりません。
皆様におかれましては、弊社との取引を通じて得られる幾ばくかの収益を生活の糧等にされていた事かと思います。中断若しくは終了により、皆様に掛けるご迷惑は大変なものと思いますが、何卒、弊社の現在置かれている状況を御推察頂き、ご理解の程、お願い致します。
注釈)「優越的地位の濫用」とは、取引上優越的な地位にいることを利用して、相手方に対して正常な商慣習に照らし不当とされる要求等をする行為を意味します。(ネットにて検索)
以 上
execution time : 0.006 sec