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横浜国大の人力飛行機に感動! (2024/9/5 14:13:18)
昨夜、9月4日にテレビで鳥人間大会が放映されました。
三鷹茂原下横田チームの見事な飛行、凄かったですね!
実は、昨日の放映時に、革命的と言える新しい人力飛行機があったんです!
それは、テレビ放映最初に出てきた、横浜国大チームの機体。
お父さんがパイロットで、お母さんが元キャビンアテンダントのお嬢さんが飛んでいた機体です。
この機体が、何故革命的なのか…。
ちょっとこのことについてお話させていただきます。
この機体ですね!
ちょっと飛行機に詳しい方ならば、「先尾翼機だね!」と、思われるとおもいますが…。
上の写真、よ~く見てください。
前翼の後ろに、もう一つ小さな尾翼がついていませんか?
これ、実はすごいアイデアなんです!
いったいどこがそんなにスゴイのか…。
それが少しでもお分かりいただけるように…。
まず、一般の飛行機が飛んでいるとき、どんな力が加わって飛んでいるのか…。
それから説明いたします。
まず、飛行機は縦、つまり、ピッチの力関係が上手く成り立たないと、飛行することは出来ません。
その力関係とは…。
翼には風圧中心というものが存在していて、翼に発生する揚力は、この位置を中心にして発生しています。
飛行機がピッチの安定を上手くとれるようにするには…。
この風圧中心位置の少し前に、機体の重心位置を置き…。
そして、尾翼には、風圧の力で下向きの力が発生するようにすれば、縦、ピッチの安定が築けます。
こうすることにより、速度が増せば、尾翼に発生する下向きの力が大きくなり…。
その結果、シーソーのように機首が持ち上がり…。
速度が落ちていく…。
そうして、飛行機の速度を一定にする効果が生まれて、ピッチの安定がとれるわけですね!
(厳密に言うともっと複雑ですが、今回は分かりやすくということでご勘弁!)
で、この飛行機のピッチの安定を築くのに重要な働きを持っている尾翼なのですが…。
尾翼の面積が大きいほど、ピッチの安定も良くなりますが…。
そのことは、同時に空気抵抗も大きくなり、飛行機の性能を落とすことになります。
そのため、飛行機を設計する際には、出来るだけ尾翼の面積を小さくしようとするわけですが…。
当然、これにも限界があるわけであり、その性能と安定性の妥協点で、尾翼の面積が決められています。
ただ…。
この方法にも「裏技」があり、尾翼の面積を少々小さくしても、安定がとれて飛行機を飛ばせる方法が存在しています。
その方法とは…。
目にもとまらぬ早わざで、尾翼を動かして当て舵を打ってしまう方法なんです!
この手を使えば、尾翼の面積が少々と小さくても、飛行機はピッチの安定がとれて、ちゃんと飛ぶことが出来るんです
が…。
そんな神ワザは、もはや人間の能力では無理!
コンピュータの力を借りて、一部の飛行機のみ実現できている、大変難しい技術なんです!
しかし、9月4日、昨夜の鳥人間大会で放映されていた、横浜国大の人力飛行機は…。
見事な方法で、この神業を、自動で行う仕組みが取り入れられていたんです!
その方法は…。
尾翼そのものが、まず、一つの飛行機を形成するようにします。
そして、速度に応じて、自動で迎え角が変わるようにしてしまうんです。
こうすれば、速度が上がると自動で上に向いてくれる…。
つまり、速度が速すぎるときの当て舵を勝手に行ってくれるんですね!
速度が低くなれば、その逆で、自動でこの部分が下を向いてくれて、速度を速めてくれます。
この動きで、人が操作を行わずとも、上図の〇で囲んだ部分が、勝手に当て舵を打ってくれ…。
飛行機のピッチの安定がとれて飛んでしまうんですね!
この結果、より少ない尾翼面積でも、安定して飛行機を飛ばすことが出来るんです!
正直、この機構を最初見たとき…。
「本当かぁ~。」と、私はかなり懐疑的に思ったのですが…。
実際に飛ばしてみると、「あれれ~、飛んでる!」ということになり…。
正直、参りました!
脱帽です!
横浜国大の皆さん、謹んで謝罪致します!!
実際に飛んでしまったんだから、これは凄いと思います。
この種の機構、確か、人力で走る水中翼船に同じようなものがあったと記憶していますが…。
私が知る限り、人の乗る飛行機で、実際に上手く飛んだのは、これが初めてではないか?
そう思うんです。
もともと鳥人間大会って、航空機の安全基準がとても厳しい日本という国の中で…。
何でもアリ!だから、好きなことやって!という趣旨の大会なんだから…。
このような画期的なアイデアは、どんどん試してみるべきです!
いや~、でも、本当、コレ飛ぶとは思っていませんでした!
若い人は、やっぱり凄いです!