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link 飛行中年 飛行中年 (2024/12/25 18:57:24)

feed よく帰ってきた!はやぶさ1号 (2024/9/22 6:21:30)

昨日、9月21日にNHKで放送された「プロジェクトX」をご覧になった方もおられると思いますが…。

「はやぶさ1号」。

コレ、よく帰ってきたものだと私は思います。

一応、元人工衛星のシステム屋をやっていましたが、正直…。

人工衛星って、予期せぬ回転が加わってしまうと、もうどうしようもないものなのです…。

 

通常、人工衛星って、自分の位置を知らせるためにビーコンという信号を出しています。

地球局では、このビーコン信号を追いかけることにより、正確な人工衛星の位置を知ることが出来るんですね!

 

しかし…。

通常使っているビーコン信号は、指向性が高い…。つまり、一方向にしか飛ばないので、一度その信号の向きがそれてし

まうと、なかなか元に戻せないんです…。

 

しかも、はやぶさ1号の場合…。

衛星本体が回転してしまったので、太陽電池パドルもほとんど使えなくなりました。

太陽電池パドルは、文字通り太陽光から電気を作る装置です。

これがほとんど機能しなくなったんだから、衛星としては死んだも同然だったのです。

 

でも…。

衛星が回転しながらも、一瞬太陽電池パドルが太陽の方を向き…。

尚且つ、それで出来た電気で作るビーコン信号が、これまた、たまたま地球を向く瞬間…。

まさに、偶然と偶然が重なる瞬間を見逃さないようにして…。

広い宇宙で迷子になったはやぶさ1号を見つけ出したわけですね!

 

更に…。

はやぶさ1号の位置を見つけたとしても…。

今度は衛星の回転を止めなければいけません!

 

これもまた、時たま地球に飛んでくるビーコン信号の周期などから、衛星の回転を予測し、見事に止めることが出来たん

ですね!

 

この一連の行動って、はっきりいって根性と執念がなければ、絶対に出来ないものだと思います!

 

さらに、はやぶさ1号に積まれていたイオンエンジン、コレ、それほど実績もなかったものですが…。

そんな実績が少ないこのエンジンの採用を、決めたその勇気もスゴイと思います!

テレビでも言っていましたが、確かにイオンエンジンでも使わなければ、このミッションは出来なかったとは思います

が…。

(通常の人工衛星は、ヒドラジンという推薬を、酸化剤の入った燃焼室に噴射して推力を得るという、単純な構造が使わ

れている。)

 

そして、そもそもなんですが…。

こんな困難なミッションに対し、よく予算を出させることが出来たと思います!

失敗しそうなものだったら、絶対に予算は降りなかったでしょうね!

 

ちなみに…。

大型衛星では、宇宙で迷子になりにくいようにサンセンサーと言われる、常に太陽の位置を補足するセンサーが積まれて

いるのですが、いろいろと検討した結果、はやぶさ1号にはこれを積まなかったんでしょう。

恐らく、はやぶさ1号はM(ミュー)ロケットという、小型固体燃料ロケットで打ち上げているので、おそらくこのロケ

ットに積むことが出来る小型衛星には、このセンサーを積むことが出来なかったんでしょう。

 

私は、はやぶさ1号が帰ってきたことは、アポロ13号クルーの生還に次ぐ、宇宙事業の偉業だと思います!

 

 

 


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