ホーム >> RSSセンター >> エドガーシュミード。

RSSセンター

  メイン  |  簡易ヘッドライン  

link 飛行中年 飛行中年 (2024/12/25 18:57:24)

feed エドガーシュミード。 (2024/9/30 7:55:17)

P-51 ムスタング

F-86 セーバー

T-38 タロン

形も年代も違うこれらの飛行機。

実は、これらの飛行機には大きな共通点があります。

それは…。

設計者が同じエドガーシュミードという方なんです。

飛行機好きの方なら分かると思うのですが、上にあげた飛行機は、どれも名機と言われるものばかりです。

実は、私自身も最近この事実に気がつきました。

そして、そのことに気がついてから、このエドガーシュミードという方が気になりだしたのです…。

 

まずは上にあげた飛行機が、どれだけ凄いのかご紹介します。

まずはP-51。

この飛行機は第二次大戦中の最高傑作と言われる戦闘機です。

日本の零戦よりも、戦闘時の速度が200キロも早く、大いに日本軍を苦しめました。

このP-51、速度が速いのには理由があります。

P-51は、当時最先端の技術であった「層流翼」を積極的に取り入れたからです。

層流翼は、当時理論は確立していましたが、正直、まだ海のものとも山のものともつかない代物…。

実際当時の技術でこの層流翼を取り入れようとすると、飛行機の重量が重くなってしまう可能性があったのです。

しかし、エドガーはこの層流翼の優れた特性を十分に理解し…。

翼の厚みを増して、構造的に軽くつくれるようにし、敢えて柔らかいアルミ材を外板に使い、凹凸のないきれいな翼の表

面に仕上げました。

零戦とは反対の設計思想で、零戦は軽量化のため、翼の表面の凹凸には目をつぶっていたのです。

それが…。

大戦が進むにつれ、飛躍的にエンジンの馬力が上がり…。

プロペラ戦闘機の速度も600Km/hを越えるようになると…。

この翼の表面の凹凸が大いに問題になってきたのです。

零戦は馬力を増していっても、なかなか速度が上がりません。

しかし、P-51は馬力の上昇と共に、大いにその層流翼の特性が生かされるようになったのです…。

 

次にF-86をご紹介します。

これも名機中の名機。

アメリカ空軍の主力戦闘機になりましたが、日本の航空自衛隊も、主力機として導入しましたよね!

当時、ドイツ人が唱えた主翼に後退角をつけるという理論を、積極的に取り入れました。

これにより、当時ライバルだった他のジェット戦闘機よりも、戦闘速度を100Km/hほど上げることが出来ました。

主翼に後退角を付けることは、機体重量を増すことになりますが、しかし、速度が上がることにより、ジェットエンジン

のラム圧による圧縮比も上がり、結果的に飛行機の航続距離を上げることにつながりました。

 

最後にT-38

この飛行機は最初は練習機として開発されました。

安価な標的用の量産ジェットエンジンを2基つみ…。

とにかく扱いやすくなるように、極力飛行機の小型化をすすめました。

その結果、整備性、性能、そして価格面についても、優れたものを持つことが出来ました。

あまりにT-38が優秀だったため、直ぐにこの飛行機をベースにして、F-5という戦闘機型が開発されました。

T-38とウリ二つですよね!

この戦闘機F-5は、あまりに優秀な性能を持っていたため、アメリカだけでなく、18カ国で運用されることになりま

す。

そして22年後…。

再びこのF-5の、整備性、性能、価格に注目され、最新技術で改良され、新しい戦闘機が開発されます。

F-20ですね!

このF-20は、基本設計が20数年前のエドガーシュミードのまま、エンジンをターボファンエンジン1基にし…。

最新のアビオニクスを取り入れた結果、あのF-16と同等の性能を発揮しました。

しかも、F-16よりもずっと安価に作ることが出来たのです。

しかし、名機であったはずのこのF-20も、政治的な圧力が加わったため、残念ながら3機しか作られずに終わってしまい

ました。

名機F-20の悲劇に、日本の漫画家新谷かおる氏が着目し、エリア88では主人公風間真の愛機として登場させていました

よね!

ここで凄いのは、エドガーシュミードが基本設計をした飛行機が、それから20年以上たって登場したF-16と同等だったと

いうことです!

移り変わりの激しい航空業界では、これはとんでもないことです!

 

今までお話ししたことをまとめますと…。

エドガーシュミードは、飛行機を深く理解し、移り変わりの激しい航空業界の技術の進化も予測し、高い次元でまとめら

れた飛行機を設計していた! ということなんです。

まさに天才中の天才なんですよね!

 

エドガーの設計したF-5は、あまりに優秀だったため、この飛行機、のちのF-15の設計、そして、F-17 (F-18の前身)

の設計にも影響を与えたと言われています。

つまり…。

現在運用されている戦闘機の多くが、エドガーシュミードの設計思想が影響を与えているというとですね!

 

…。

ここで、ちょっとお分かりの方がいらっしゃいましたら、コメント頂きたいのですが…。

実は、このエドガー―シュミード。晩年になってからハンググライダーも設計していたという噂を、私、30年以上前に聞

いてたような気がするのです…。

機体は、かつてあったアメリカ、UP社のコメット…。

あまりに古い情報なので、確かめようがないのですが、ご存じの方がいらっしゃいましたら教えてください!

 


execution time : 0.005 sec