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先日行われた、茨城県は足尾エリアでのハンググライダーの大会ですが…。
最終日に20名もの選手が、飛行禁止空域(CTR)に入ってしまう出来事が起こりました!
飛行禁止空域(CTR)とは一体何か…。
今夜はそんなお話です。
上の図は、茨城県のパラグライダー、ハンググライダーの各団体が自主的に定めた、飛行禁止空域(CTR)を表したも
のです。
図に書かれた数字は、高度(メートル)を表しており、これ以上の高度へは入ってはいけません。
何故このようなものが定められているかというと…。
羽田空港へ進入する旅客機とのニアミスを防ぐためなんです。
この数字が書き込まれた場所の上空は、羽田空港へと進む旅客機の飛行コースなのです。
しかし、数字の高度以下には、旅客機は入って来ないため、この下であれば、パラグライダー、ハンググライダーは飛行
することが出来ます。
(ちなみに右の赤でぬられた飛行禁止の表示の場所は、航空自衛隊、及び、茨城空港の飛行機が低空で飛行するため、全
面的にパラグライダー、ハンググライダーでの飛行は禁止されています。)
この飛行禁止空域(CTR)は、パラグライダー、ハンググライダーのフライヤーが、先にも述べたように、自主的に旅
客機とのニアミスを防ぐために決めました。
特に茨城県界隈のパラグライダー、ハンググライダーのエリアでは、羽田空港への旅客機の進入路が変更され、茨城県上
空を飛ぶようになったことから、取り急ぎ決められたものです。
これ、ぶっちゃけ言ってしまうと…。
パラグライダー、ハンググライダーは、こうやって自主的に空の安全を守って、事故が起こらないように管理していま
す。だから、お願いなので、社会に迷惑をかけない範囲でならば、自由に飛ばせて!
そういうことなんです…。
そんな事情があるため、もし、この飛行禁止空域を守らずに、旅客機とのニアミスという事態に陥ったとしたら、パラグ
ライダー、ハンググライダーは自由に空を飛べなくなってしまう事態に陥ってしまうんです!
だから、是が非でもこの飛行禁止空域(CTR)のルールは、未来永劫守り続ける必要があります。
しかし、今回の大会では、選手全員がそんなことは百も承知で大会に臨んでいるにもかかわらず、20名ほどの選手がこ
のルールを破ってしまいました。
この理由は、この日の気象条件が大きな要因になったと考えられます。
この日はコンバージェンスと言われる、風と風がぶつかり、上昇風帯が多く存在する気象条件でした。
このため、選手たちは飛行禁止空域の高度制限を分かりながらも、その上昇風帯から抜け出せなかった事例が多く発生し
てしまったのです。
このことについては、今後、私たちフライヤーは肝に銘じて覚えておく必要があることだと思います。
高度を守るつもりで飛んでいても、リフト帯がずっと続いてしまい、予期せずに上がってしまうこともあるのですか
ら…。
数年前から、ドローンの商業利用が具体的になり、空の世界がぐっと狭くなってしまいました。
ラジコン飛行機ですら、現在は届け出をしないと飛ばせません。
自由に飛ばせるのは、全備重量100グラム以下の模型飛行機、あるいは、ドローンだけです。
そんなご時世なもんだから…。
私たちパラグライダー、ハンググライダーは、いつ自由に飛べなくなっても、おかしくないんです!
このことをよ~く肝に銘じて、ルールを守った安全なフライトを心がける必要があるんです!