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feed エアスペースとフリーフライトの未来 (2015/4/11 1:53:21)
最初はShigeto の ブログ記事 にコメントしようとしたけど、IPアドレスではねられてるっぽくエラーになるので、だいぶ加筆したバージョンをこちらにあげておきます。


 openair フォーマットについて補足ですが、Compeo+/6030系には Flytec のサイト からツールをダウンロードしてopenair のファイルを.faf フォーマットに変換すれば使えます。バリオのファームウェアは最近のバージョンに上げる必要はあります。アラーム設定は100mがお薦めです。

いいきっかけなので、エアスペース関連で気になっていることについて。
 全てのエアスペースは上限下限が設定されていて、上を飛び越えられるものもあれば、逆に上限高度以下で飛ばなければいけない空域もあります。日本の場合小さめの空港は下限地表上限が3000ft から6000ftくらいまであるようですね。半径9kmの円柱が無限の高さまで立っている訳ではありません。たとえば宇都宮は高度があれば飛び越えられるはず。正確な高度と範囲は最新の航空区分図によって確認が必要です。また先月大子を含む複数のVOR廃止などの大きな変更があり、VFR(有視界飛行)機の航路が変わった可能性があり、ハング、パラのフライトコースもそれを考慮に入れる必要があるでしょう。

 もうちょっと一般的な話として、近年ハングパラの飛んでいる空域が目覚ましく広がり、空は年々混雑し、エアスペースはどんどん複雑化してきているのに、パイロットの正しい知識が追いついていないように感じます。空域の点で気になるフライトも最近幾つか見かけました(問題があるかどうかを判定する基礎となる正確な知識は持ち合わせていません)。半径9kmの円で済んだ時代はとっくに過ぎ去り、特に関東、関西圏では各空域の形状も複雑になり、正確なエアスペースの把握、パラハング用のopenair のファイルの整備、GPSマップの使い方なども含め、全てのフライヤーが知識を更新すべき時期になっています。年々狭くなる空域を最大限に利用できるようにするため、そして自治的に航空法に則ってフライトしていることを組織として示すためにもこの方面の取り組みはJHFが取り組むべき重要課題の一つだと思います。個人的には専任のエアスペース担当を置いてもいいくらいだと思っています。

 空域関係は日本だけの話ではなく、継続的に海外の大会等で飛んでいるパイロットは実感していると思いますが、フリーフライトへの空域制限はどこでも年々厳しくなってきています。例えばハング世界選だけをみても、イタリアとオーストラリアの大会では禁止区域飛行でフライト失格が出ていますし、メキシコでも上限高度が設定されていました。コロンビアのパラの世界選でも同様の失格者が出ています。各国のJHFに対応する組織はフリーフライヤーが航空法に則ってフライトしていることを自治的に監督し、それも強化される流れなので、大会などでの空域関連の罰則は厳密に運用されています。これは国によってさらに大きな規制がかかってしまうのを避けるため、というのが一番の理由です。国レベルでの管理になれば、フリーフライトのカテゴリーの発言力が一番弱く、最悪飛べなくなる可能性があるということを皆恐れています。
 空の交通量が増え続ける中、いつとんでもない規制のアイデアが持ち上がって来ても不思議ではありません。その時に少しでも発言力を強めておけるように、フリーフライヤーも(広義の)パイロットとしての意識を高めていく必要があります。
 私も日本にいた時は、空域について意識としてはありましたが正直そこまで真剣に考えていなかったし、正確な知識もありませんでした(知識に関しては今でもまだダメなレベルですが)。しかし、主にイギリスと、近隣のいくつかの国でのエアスペースの関連の規制についていくつかの事例を見てきて、航空行政の万国的な性質上似たようなことは日本でも起こる、と考える方が自然だと思うし、今では日本、JHFでも積極的に取り組まなければいけない問題だと認識しています。
 そんな大袈裟な、という方も、同じように危機感を感じる方もいるかと思いますが、たまたまここを読んでしまった皆さんは、この機会にもう少しだけ深く考えてみて貰えれば、と思います。
 



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