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2月5日(金) (2016/2/5 21:23:45)
昨日は空気が冷たかったですが、今日は暖かな落ち着いた日でした。
飛行場は小池さんと佐々木のコンビでした。山本は下総基地で周辺の飛行場との定例会議でした。
土曜、日曜日にグライダーの試験飛行を2機行う予定でしたが、天候が良かったので、今日やることにしました。
とりあえず、機体を組立、
試験飛行が行われました。
試験飛行が終わると、小池さんは練習の終わった高橋さんとブリーフィングを行っていました。
さて、今までこの「大利根近況」は、飛行場の出来事を山本、佐々木が担当し、整備関係や外国の動向などを中澤が担当していました。もう少し別の目での記事があっても良いと感じましたので、とりあえず、クラブ員のインストラクターにも記事を担当してもらうことにしました。1日の出来事を担当してもらうこともありますし、自分が教えた経験と、自分が教わった経験を対比させた話が出るかもしれません。乞うご期待!!
と言うわけで、とりあえず、第一弾、染中さんから記事をもらいましたので掲載しますね。
◆着陸のコツ?
「着陸のコツってなんですか?」とか、たまに聞かれます。
コツと言っていいのかどうかわかりませんが、僕らインストラクターがトレイニーの着陸を見ていて、ほぼ常に「不足しているなぁ」と思うことがありますので、それについて書きます。それは「観察」です。
【観察】かん-さつ〔クワン-〕[名] (
スル )
物事の状態や変化を客観的に注意深く見ること。
まあ、インストラクターはいつもいつも、「滑走路を見て!」「ほら、ピッチピッチ!!」「ラインナップ!!!」とか言っているので、多くのトレイニーはちゃんと滑走路と地平線を「見て」着陸操作をしてくれる訳です。でも「見る」ことと「観察する」ことは、ちょっと違う。別に、トレイニーの眼がフシアナだとか言いたい訳ではありません。見た景色をどう分析するか、というところに、もう少し注意を払ってほしいと思っているのです。
上手に着陸する人は、「景色を見る」→「あっ、少しずれたな」→「ちょっと修正する」というサイクルを忠実に繰り返しています。
一方で、視覚情報とは関係なく、体が感じた G やら何やらで「操縦桿を引きたい」(あるいは押したい)などの「欲望」が、上記の「ちょっと修正する」という行為を邪魔します。結果、ちょっと押さなければいけない操縦桿を、ちょっと引いてしまったりする。これが、多くの失敗の典型的なパターンです。
飛ぶことは人間の本能からかけ離れた行為ですので、この「欲望」には何の根拠もありません。根拠があるのは、適正なパス、ピッチ、ラインナップの 3 つだけ。全部「見えるもの」です。この 3
つを守るための操作だけが「正しい操作」です。
1)見る、2)見たものを分析する、3)分析の結果を正しく操縦桿に反映する、の2と3をもっともっとやってほしい。あたりまえですが、2と3には一定の時間がかかります。修正が遅れて、うまく着陸できないかも。あるいは、分析の結果を間違えて、ひどい着陸になるかも知れない。でも、大丈夫。そのために、右席が居るのです。
英語圏で着陸を教わると、「 keep picture 」「 remember the picture 」というように、外の景色を「 picture 」(画像)と表現することが、よくあります。これも、上記と同じようなことだと僕は解釈しています。
景色を「見る」のではなく、頭の中でシャッターを押して写真を撮る。その画像を観察して、パスやピッチを判断してください。信用できない本能にもとづく「欲望」には、耳を貸さないこと!
(続く)
染中俊雅
(編集:中澤 写真:佐々木、山本 文:中澤、染中)