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link 飛行中年 飛行中年 (2024/5/17 17:33:27)

feed 先人の努力 (2016/2/24 15:47:12)


最近私が薪を取っている場所なのですが…。

昨年の6月くらいに大規模に伐採された場所で、積んであるほとんどの木がコナラです。

コナラは薪としては優秀な木…。

しかも、ほとんどの木はまっすぐに生えており、枝などがあまりないために斧で割るには好都合です。

既に半年以上放置されていたため、地主の方に確認したら「いくらでも持って行っていい!」とのお返事をいただいたため、ただいませっせと切り出しています!

薪にする原木は、あまり長期にわたって放置されてしまうと、腐りだしてしまい使い物にならなくなるのですが、今回見つけたものは何とかかろうじて薪にできそうです。

近くの薪ストーバーさんにも連絡し、ただいま皆さんで楽しみながらチェンソーで玉切りしています。


で、ここの現場なんですが、生えている木がすごいんです!

ほとんどの木がコナラなんです!



これは明らかに大切に手を入れられてきた里山です。

でも、ここ数十年まったく放置されてしまい、荒れ果てた姿に変わってしまったのだと思います。

コナラの木は薪に向いている他にも、シイタケのホダギとしても利用されているもので、おそらくここの現場はこの両方の目的でコナラ林に先人が変えたのでしょう。

一言に「コナラ林に変えた」と言いましたが、これが私はすごいと感じているのです。

ここまでコナラばかり生やそうとしたら、しっかりした森の知識が必要なはずです。

里山を作るときは、「30年先の森が見えなければいけない」と言われています。

これはどういうことかというと…。

生えている樹種やその樹齢を的確に判断し、30年先を読みながら森を手入れする必要があるのです。

これって、正直とても森に詳しくなければできない作業です。

コナラ林を作るには、コナラばかりを残して切っていけばいいじゃないかと考えそうですが、それほど単純でもないのです。

コナラはある程度老木になると弱ってしまい、再生力がなくなるので、そうなる前に伐採し、森を活性化する必要もあります。

また、育てる木は育てなければなりません…。

その見極めが難しいと思うんです…。

残す木は残し、伐採すべき木は伐採し、時にはコナラのドングリを見つけたらこまめに地面に埋める…。

このような地道な作業を何十年、何百年と続けなければここまで見事なコナラ林はできないと思います。

この山は200mほどの高さなのですが、この山のほぼ全面がこのようなコナラ林になっていますから、かなりの手間をかけて今の姿を作ってきた

のでしょう。


実はこの現場の直ぐ近くに、わたしの友人が住んでいるのですが、キツネ、タヌキ、フクロウなど、たくさんの野生動物を今も見かけ

るそうです。

これはおそらく、荒れ果てていると言いながらも、これだけドングリが成るコナラの木がたくさんあるために、まずネズミなどの小動物が繁栄

し、そして、それを目当てとする動物も暮らしやすい環境になっているからだと思います。


それだけこの場所が、かつては素晴らしい里山だったこと、そして、その里山を長い時間をかけて先人が作り上げていったことに

気付けたのも、私自身が薪ストーバーであり、そして、木や自然に興味があったからだとおもいます。

正直、薪ストーブをやっていなければまったく気付けなかったでしょう。


この現場、聞くところによると、このあと遊歩道にするための更に伐採が進められるそうです。

個人的には更に薪が手に入ってうれしいのですが…。

出来れば人も動物も共存出来る、本来の里山の姿を取り戻すような計画的な伐採を望みます。






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