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ランディングアプローチ考察
Hang Gliding Japan
(2024/10/31 8:42:10)
ランディングアプローチ考察 (2015/1/8 22:53:33)
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ランディングアプローチ考察 (2015/1/8 22:53:33)
ランディング場で無線誘導をしていて気になるのは、ランディングアプローチだ。
講習生の話ではない。
彼らは技量は拙くても懸命に指示を守り、やがて安心して見ていられるパイロットに育っていく。
気になるのは、いわゆるベテランのランディングアプローチだ。
こう言っては難だが、安心して見ていられないパイロットが意外に多いのだ。
その中でも特に気になるのが「180度旋回一発で降りようとする」アプローチだ。
1.ランディング場の風上側で高度を落とす
2.風下に向かう
3.180度旋回して風上を向く
4.アップライトに持ち替えフレアー
「なんだ、普通の降り方じゃないか」と思った人は要注意。
どうやって狙った地点に降りているのか、と聞かれて答えることはできるだろうか?
2と3の間で一気に進行方向が反対になり、風は追い風から向かい風に変化する。
バンクが変化するので沈下率も変化する。
この状況で狙い通りに降ろせるパイロットは、ほとんど神業と言っていい達人だろう。
たいていの人は、思い通りの場所には降りられず、手前か奥に降りている。
高すぎてS字を振ってみたり、逆にショートしそうになってギリギリまでベースバーを持っていたり。
「フレアーのタイミングがわからなくなった」という人も、その原因はアプローチにあることが多い。
ファイナルアプローチに余裕がないから、機体を安定させ、アップライトの手応えからフレアーのタイミングをはかることが難しくなるのである。
高め遠めからファイナルアプローチをかけることができれば、講習斜面と変わらないのだから、飛び慣れたパイロットならばフレアーのタイミングは容易にわかるはずだ。
推奨したいアプローチは、180度旋回ではなく90度旋回2回に分ける方法だ。
1.ランディング場の風上側で高度を落とす
2.風下に向かう
3.90度旋回して、横目でターゲットを見ながら直線飛行をする
4.90度旋回して風上を向く
5.安定した直線飛行に入れる
6.アップライトに持ち替えフレアー
ポイントは3で、この部分を「ベースレグ」とか「ベースライン」と呼んでいる。
ベースレグを長くとることが、ランディングの精度を上げるコツだ。
ベースレグでは直線飛行をしているので、進行方向も沈下率も一定だ。
だから狙いをつけやすい。
高度が低ければ、早めにファイナルターンを入れてターゲットに向かう。
高度が高ければ、ファイナルに入れるタイミングを遅らせる。
ファイナルに入るタイミングは、どうやってはかっているだろうか?
おそらく、無意識に「グライドパス」を見て決めているはずだ。
無意識にしていることを意識的にすることで精度が上がる。
グライドパスの見方は、「到達できない場所は視野の中でだんだん高くなっていき、飛び越せる場所はだんだん下に消えていく」。
ベースレグを飛ぶ間、ターゲットを見つつ、進行方向のグライドパスも見ておく。
ターゲットが「下に消える」距離にある間はファイナルターンを切らない。
「もう少しで飛び越さなくなるな」というタイミングでファイナルを切る。
このとき高度がやや高ければ、ファイナルターンのバンクを深めにしたり、スピードをつけたりして、沈下を大きくする。
それでもまだ高ければ、早めにアップライトを持って引き込むことで高度を落とす。
「ベースレグの長さ」
「ファイナルターンの深さとスピード」
「アップライトを持つタイミングと引き込み量」
この三つで高度を調整し、着陸精度を上げつつ、余裕を持ったランディングをすることができる。
「8の字アプローチ」は、要するにこのベースレグを繰り返す降り方だ。
講習生には、ターゲットからつかず離れず一定の距離を保つよう指示しているが、これがグライドパスとファイナルターンのタイミングを見る練習になっている。
しかし、高性能機では風が強い時を除いて、8の字アプローチはお勧めできない。
180度旋回をするたびに前に出てしまわないようにするには、風下方向に大きく戻らなければならないし、
ファイナルの一つ手前の180度旋回で、対地高度があまりない状態で深いバンクをかける必要が生じるからだ。
高性能機で8の字アプローチができるのは、強風の時か、ランディング場がかなり広い場合だけだ。
冒頭に挙げた180度一発アプローチが、なぜ昔は奨励されたのか。ご存知の方がいたら教えてほしい。
私の推測では、昔の高性能機は操縦性が悪く、旋回に入れたり直線に戻したりが難しかったせいではないかと思っている。
いちいち90度旋回して直線に戻したら、次の旋回に入れられない恐れがある。
だから、180度旋回のバンクを入れたり戻したりするだけのファイナルターンが良いとされたのではないかと。
現在市販されている機体に、そんな操縦性の悪いものはない。
安心して、90度旋回からベースレグをたっぷりとり、正確なランディングを目指してほしい。
講習生の話ではない。
彼らは技量は拙くても懸命に指示を守り、やがて安心して見ていられるパイロットに育っていく。
気になるのは、いわゆるベテランのランディングアプローチだ。
こう言っては難だが、安心して見ていられないパイロットが意外に多いのだ。
その中でも特に気になるのが「180度旋回一発で降りようとする」アプローチだ。
1.ランディング場の風上側で高度を落とす
2.風下に向かう
3.180度旋回して風上を向く
4.アップライトに持ち替えフレアー
「なんだ、普通の降り方じゃないか」と思った人は要注意。
どうやって狙った地点に降りているのか、と聞かれて答えることはできるだろうか?
2と3の間で一気に進行方向が反対になり、風は追い風から向かい風に変化する。
バンクが変化するので沈下率も変化する。
この状況で狙い通りに降ろせるパイロットは、ほとんど神業と言っていい達人だろう。
たいていの人は、思い通りの場所には降りられず、手前か奥に降りている。
高すぎてS字を振ってみたり、逆にショートしそうになってギリギリまでベースバーを持っていたり。
「フレアーのタイミングがわからなくなった」という人も、その原因はアプローチにあることが多い。
ファイナルアプローチに余裕がないから、機体を安定させ、アップライトの手応えからフレアーのタイミングをはかることが難しくなるのである。
高め遠めからファイナルアプローチをかけることができれば、講習斜面と変わらないのだから、飛び慣れたパイロットならばフレアーのタイミングは容易にわかるはずだ。
推奨したいアプローチは、180度旋回ではなく90度旋回2回に分ける方法だ。
1.ランディング場の風上側で高度を落とす
2.風下に向かう
3.90度旋回して、横目でターゲットを見ながら直線飛行をする
4.90度旋回して風上を向く
5.安定した直線飛行に入れる
6.アップライトに持ち替えフレアー
ポイントは3で、この部分を「ベースレグ」とか「ベースライン」と呼んでいる。
ベースレグを長くとることが、ランディングの精度を上げるコツだ。
ベースレグでは直線飛行をしているので、進行方向も沈下率も一定だ。
だから狙いをつけやすい。
高度が低ければ、早めにファイナルターンを入れてターゲットに向かう。
高度が高ければ、ファイナルに入れるタイミングを遅らせる。
ファイナルに入るタイミングは、どうやってはかっているだろうか?
おそらく、無意識に「グライドパス」を見て決めているはずだ。
無意識にしていることを意識的にすることで精度が上がる。
グライドパスの見方は、「到達できない場所は視野の中でだんだん高くなっていき、飛び越せる場所はだんだん下に消えていく」。
ベースレグを飛ぶ間、ターゲットを見つつ、進行方向のグライドパスも見ておく。
ターゲットが「下に消える」距離にある間はファイナルターンを切らない。
「もう少しで飛び越さなくなるな」というタイミングでファイナルを切る。
このとき高度がやや高ければ、ファイナルターンのバンクを深めにしたり、スピードをつけたりして、沈下を大きくする。
それでもまだ高ければ、早めにアップライトを持って引き込むことで高度を落とす。
「ベースレグの長さ」
「ファイナルターンの深さとスピード」
「アップライトを持つタイミングと引き込み量」
この三つで高度を調整し、着陸精度を上げつつ、余裕を持ったランディングをすることができる。
「8の字アプローチ」は、要するにこのベースレグを繰り返す降り方だ。
講習生には、ターゲットからつかず離れず一定の距離を保つよう指示しているが、これがグライドパスとファイナルターンのタイミングを見る練習になっている。
しかし、高性能機では風が強い時を除いて、8の字アプローチはお勧めできない。
180度旋回をするたびに前に出てしまわないようにするには、風下方向に大きく戻らなければならないし、
ファイナルの一つ手前の180度旋回で、対地高度があまりない状態で深いバンクをかける必要が生じるからだ。
高性能機で8の字アプローチができるのは、強風の時か、ランディング場がかなり広い場合だけだ。
冒頭に挙げた180度一発アプローチが、なぜ昔は奨励されたのか。ご存知の方がいたら教えてほしい。
私の推測では、昔の高性能機は操縦性が悪く、旋回に入れたり直線に戻したりが難しかったせいではないかと思っている。
いちいち90度旋回して直線に戻したら、次の旋回に入れられない恐れがある。
だから、180度旋回のバンクを入れたり戻したりするだけのファイナルターンが良いとされたのではないかと。
現在市販されている機体に、そんな操縦性の悪いものはない。
安心して、90度旋回からベースレグをたっぷりとり、正確なランディングを目指してほしい。
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