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ハンググライダーの競技について
Hang Gliding Japan
(2024/11/1 21:05:44)
ハンググライダーの競技について (2014/11/21 21:24:40)
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ハンググライダーの競技について (2014/11/21 21:24:40)
私は競技フライトが好きだし、競技で一緒に飛ぶ仲間達が好きだ。
2008年から競技に参加するようになったが、ゴールできなければ悔しく、ゴールすれば面白く、もっと速くゴールしたくなり、機体を買い替え、装備を買い集め、仲間と飛び方を研究し、という具合で、どんどんのめりこむことになる。
この過程はとても楽しい。
何年か続けていると、ある時点で、これ以上の順位を目指すにはさらに高い次元の努力が必要ということに気付く。私は15位くらいを取れるようになった時点で、トップ10や代表クラスの強さを思い知った。
そこでさらに努力して上位を目指すことができる人は、さらに上達していくのだろう。
今でも競技そのものは楽しいと思えているが、何年やっても同じような成績であることに飽きてしまうという気持ちもよくわかる。それに、上位選手と対等に飛ぶために機体を3~4年に1度は買い換えるというのはかなりの負担だと思う。
実際に、私が出場し始めた2008年と比べても、選手数は次第に減少している。
正直なところ、あと3年程度で、大会が成立する人数を集められなくなる可能性さえあると考えている。
ちょっと立ち止まって考えてみよう。
今のクロスカントリー競技で、どんなタスクでもゴールできる可能性がある機体となると、130万円くらいはする。
さらに流線型のハーネス、GPSとルート機能のついた計器、と買い集めていくと、相当な金額になる。
こういった機材を使いこなせるレベルに達するのに、普通の人ならばハングの講習を始めてから最低5年はかかるだろう。
シングル機からはじめてダブル機、キングポスト付き上級機、と来て4機目でキングポストレスに乗り換えることを考えると、5年でも早いほうかもしれない。
昔を振り返ってみよう。
まだキングポストレス機がなく、競技に使える最高性能機といっても現在の中級機くらいの性能だった20年前、その値段は60~70万円くらいだった。ハーネスも中級者が使う物と大差なかったし、計器はバリオとカメラくらいだった。
大学3年生くらいで使いこなせる装備で、トップ選手と同じ土俵に立つことはできた。
これならば「ちょっと大会にでも出てみるか」という気持ちになるかもしれない。
大会には人があふれ、定員がいっぱいになって参加できないという状況だった。
(ただし、大会の雰囲気がピリピリ・殺伐としていたので、ある意味で心理的なハードルは高かった)
機材の値段が昔より高くなっているのは仕方がない。性能も安全性も操縦性もはるかに向上しているのだし、世界的に原材料費や人件費が上がっているのだから。
しかし、それを置いたとしても、だ。
60万円の機体と10万円のハーネスがあれば、とりあえずトップ選手と同じ土俵に立つことはできるのと、
機体だけでも130万円出さないとゴールすらおぼつかないのとでは。
競技に入ってくる若いパイロットが少ないことについて、今の若者は競争心がないなどと言うべきではない。
こんな費用のかかることに、そうやすやすと入れる方が希有な存在なのだ。
今年の2月にCIVL総会に行ってきたが、まさにこのことが議論されていた。
ヨーロッパでは日本よりも状況は厳しく、現在の形のクロスカントリー競技は「失敗だった」とまで言われていた。
現在のクロスカントリー競技は、車で言えばF1だ。
決められたコースを速く飛んだ者が勝ち。文句なしにハングの実力を測ることができる。
この競技には価値があるし、今後も続けるべきだと思う。
問題なのは、競技をするとなるとF1に参加するしかない、という選択肢の狭さだ。
車ならば、サーキット競技だけでも、カートから始まる排気量別のクラスがあり、その最高峰にF1がある。
ジムカーナやラリーといった競技もあるし、セーフティートレーニングに参加するだけでも意義があり楽しい。
ハングの競技も、性能別にクロスカントリー競技をしてもよいし、他のことを競っても良いのかもしれない。
必ずしもキングポストレス機が必要でない競技ならば、参入障壁は低くなるだろう。
ただし、滞空時間や着陸精度を競う競技では、どうしても「お遊び」と思われがちで、これでは沢山の人を引きつける競技にはなりにくいように思う。やはり競技である以上は、参加者が夢中になって飛び、途中で下した判断について振り返って語り合う、という要素は必要だと思う。
「ハングの競技」だからといって、既存の競技種目だけにとらわれず、他のスポーツも参考にして、新しい種類の競技を作っても良いと思う。いや、そうしないと、競技大会自体が成立しなくなる時代が、すぐそこまで来ている。
この夏初めて世界選手権が開催された「スポーツクラス」についても、CIVLの中でも定義はできていない。
今、日本発で新しいルールを考案できれば、それが今後の世界標準の競技になるかもしれない。
熱気球、セールプレーン、オリエンテーリング・・・他にも参考になるスポーツはいくらでもあるはずだ。
知恵を絞って新しい競技種目を生み出し、再びハング競技が大盛況になる時代を見てみたい。
2008年から競技に参加するようになったが、ゴールできなければ悔しく、ゴールすれば面白く、もっと速くゴールしたくなり、機体を買い替え、装備を買い集め、仲間と飛び方を研究し、という具合で、どんどんのめりこむことになる。
この過程はとても楽しい。
何年か続けていると、ある時点で、これ以上の順位を目指すにはさらに高い次元の努力が必要ということに気付く。私は15位くらいを取れるようになった時点で、トップ10や代表クラスの強さを思い知った。
そこでさらに努力して上位を目指すことができる人は、さらに上達していくのだろう。
今でも競技そのものは楽しいと思えているが、何年やっても同じような成績であることに飽きてしまうという気持ちもよくわかる。それに、上位選手と対等に飛ぶために機体を3~4年に1度は買い換えるというのはかなりの負担だと思う。
実際に、私が出場し始めた2008年と比べても、選手数は次第に減少している。
正直なところ、あと3年程度で、大会が成立する人数を集められなくなる可能性さえあると考えている。
ちょっと立ち止まって考えてみよう。
今のクロスカントリー競技で、どんなタスクでもゴールできる可能性がある機体となると、130万円くらいはする。
さらに流線型のハーネス、GPSとルート機能のついた計器、と買い集めていくと、相当な金額になる。
こういった機材を使いこなせるレベルに達するのに、普通の人ならばハングの講習を始めてから最低5年はかかるだろう。
シングル機からはじめてダブル機、キングポスト付き上級機、と来て4機目でキングポストレスに乗り換えることを考えると、5年でも早いほうかもしれない。
昔を振り返ってみよう。
まだキングポストレス機がなく、競技に使える最高性能機といっても現在の中級機くらいの性能だった20年前、その値段は60~70万円くらいだった。ハーネスも中級者が使う物と大差なかったし、計器はバリオとカメラくらいだった。
大学3年生くらいで使いこなせる装備で、トップ選手と同じ土俵に立つことはできた。
これならば「ちょっと大会にでも出てみるか」という気持ちになるかもしれない。
大会には人があふれ、定員がいっぱいになって参加できないという状況だった。
(ただし、大会の雰囲気がピリピリ・殺伐としていたので、ある意味で心理的なハードルは高かった)
機材の値段が昔より高くなっているのは仕方がない。性能も安全性も操縦性もはるかに向上しているのだし、世界的に原材料費や人件費が上がっているのだから。
しかし、それを置いたとしても、だ。
60万円の機体と10万円のハーネスがあれば、とりあえずトップ選手と同じ土俵に立つことはできるのと、
機体だけでも130万円出さないとゴールすらおぼつかないのとでは。
競技に入ってくる若いパイロットが少ないことについて、今の若者は競争心がないなどと言うべきではない。
こんな費用のかかることに、そうやすやすと入れる方が希有な存在なのだ。
今年の2月にCIVL総会に行ってきたが、まさにこのことが議論されていた。
ヨーロッパでは日本よりも状況は厳しく、現在の形のクロスカントリー競技は「失敗だった」とまで言われていた。
現在のクロスカントリー競技は、車で言えばF1だ。
決められたコースを速く飛んだ者が勝ち。文句なしにハングの実力を測ることができる。
この競技には価値があるし、今後も続けるべきだと思う。
問題なのは、競技をするとなるとF1に参加するしかない、という選択肢の狭さだ。
車ならば、サーキット競技だけでも、カートから始まる排気量別のクラスがあり、その最高峰にF1がある。
ジムカーナやラリーといった競技もあるし、セーフティートレーニングに参加するだけでも意義があり楽しい。
ハングの競技も、性能別にクロスカントリー競技をしてもよいし、他のことを競っても良いのかもしれない。
必ずしもキングポストレス機が必要でない競技ならば、参入障壁は低くなるだろう。
ただし、滞空時間や着陸精度を競う競技では、どうしても「お遊び」と思われがちで、これでは沢山の人を引きつける競技にはなりにくいように思う。やはり競技である以上は、参加者が夢中になって飛び、途中で下した判断について振り返って語り合う、という要素は必要だと思う。
「ハングの競技」だからといって、既存の競技種目だけにとらわれず、他のスポーツも参考にして、新しい種類の競技を作っても良いと思う。いや、そうしないと、競技大会自体が成立しなくなる時代が、すぐそこまで来ている。
この夏初めて世界選手権が開催された「スポーツクラス」についても、CIVLの中でも定義はできていない。
今、日本発で新しいルールを考案できれば、それが今後の世界標準の競技になるかもしれない。
熱気球、セールプレーン、オリエンテーリング・・・他にも参考になるスポーツはいくらでもあるはずだ。
知恵を絞って新しい競技種目を生み出し、再びハング競技が大盛況になる時代を見てみたい。
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